Quantcast
Channel: ジャックの談話室
Browsing all 194 articles
Browse latest View live

昨日の旅(21)

☆ デリー ベナレスに数日、滞在したあと、また三等列車に乗ってデリーに向かった。 夜行列車に乗ったのだが、いつものように列車は混んでいて席には座すことはできず、一晩中、立ちっぱなしだった。 列車の座席は向かい合わせになっていて、乗客がぎゅうぎゅう詰めに座っていたが、ひとつだけ16、7歳のサリーを着た美少女が独占している座席があった。...

View Article


昨日の旅(22)

☆ デリー(続き) デリーのユースホステルに宿泊していた中で、ひどく落ち込んでいた人間がいた。 アンドリューというイギリス人の青年で、3週間前に所持していたトラベラーズ・チェックを全額、盗まれたのだという。 トラベラーズ・チェックは盗まれても、番号を控えておけば、再発行を受けることができる。...

View Article


昨日の旅(23)

☆ インドを旅行するということ デリーでしばらく骨休みをしたあとアグラにいって、インドという巨大なゴミ溜めに落ちている一粒の真珠といった風情のタージ・マハールを見物し、アグラからそのまま鉄道でパキスタンに向かった。 当初は、インドにもっと滞在し、南インドを回る計画だったが、その気はなくなっていた。 カルカッタから始めて2週間ほどインドを旅行しただけで、インドはもう懲り懲りという気分になったのだ。...

View Article

昨日の旅(24)

☆ ペシャワールへ デリーからアグラへ行って、タージマハールを見物したあと、そのまま鉄道でパキスタンのラホールに向かった。 たしかフェロスポールというインド側の鉄道の駅を通って国境を越えたと覚えている。 ラホールは、ムガール帝国の古都として栄えたところだが、私の記憶に残っているラホールは、舗装されていない泥んこ道に馬糞が散らばっている汚い町だった。...

View Article

昨日の旅(25)

☆ ペシャワールの恐怖の一夜 ペシャワールの町で銃器店の親父と知り合って、彼の家に泊めてもらうことになった。 親父は人の良さそうな人間で、悪い奴には見えなかったので、好意に甘えることにしたのだ。 親父の仕事が終わって店のシャッターを降ろし、近くの食堂で羊肉のハンバーグの夕食をとってから、オートリキシャに乗って親父の家に向かった。 しかし「すぐ近く」にあるという親父の家に走っても走っても着かない。...

View Article


Image may be NSFW.
Clik here to view.

昨日の旅(26)

☆ カイバル峠を越えて ペシャワールの町に戻ると、カブール行きのバスチケットを買うために、真っすぐバスターミナルに向かった。 男たちからセクハラばかり受けるパキスタンからは一刻も早く逃げ出したかった。 バスターミナルでカブール行きのチケットを買ったあと、近くのアフガニスタン領事館で、2週間のアフガニスタンのトランジットビザを取った。...

View Article

昨日の旅(27)

☆ カブール バスがカブールに着いたのは夕刻だった。 1800メートルの高地にあるせいか、11月下旬のカブールはかなり寒く、町ゆく人は外套を着て、一見して、ロシアや東欧の町のようだった。 町は思っていたよりもずっと清潔で、市場には、リンゴやブドウ、イチジクやザクロ、柿などの果物が山盛りにして売られていて、辺りには甘い香りが漂っていた。...

View Article

昨日の旅(28)

☆ バーミヤン・ホテル カブールでは、一泊100円ほどのバーミヤン・ホテルというバックパッカーご用達の安宿に泊まった。 このバーミヤン・ホテルのトイレは汲み取り式で、わたしたち日本人は子供の頃に経験していたので驚かなかったが、欧米人の宿泊客には相当、カルチャーショックだったようだ。 あるオランダ人の青年は、トイレで大の用を足していたときお釣りを貰ったといって大騒ぎしていた。...

View Article


昨日の旅(29)

☆ カンダハール カブールに一週間ほど滞在したあと、カブールから500キロほど離れたアフガニスタン第二の都市、カンダハールにバスで移動した。 アフガニスタンに入ってからは、一人ではなく、ほかの旅行者と一緒にグループで旅行するようになっていた。 旅行者同士、話し合って一緒に旅行することに決めたわけでなく、行き先が同じ人間が自然とグループになって一緒に移動するようになったのだが、...

View Article


昨日の旅(30)

☆ ヘラートの麻薬市場 カンダハールのあと、アフガニスタン第3の都市、ヘラートに移動した。 ヘラートもカンダハールと同様、中央アジアや西アジアとインドを結ぶ重要な交易路上にあって古来より栄えてきた町である。 ヘラートの市場では、アフガンコートと呼ばれている民族模様の刺繍の入った羊の毛皮のコートを買った。...

View Article

昨日の旅 III

● 昨日の旅(21):ニューデリー ● 昨日の旅(22):ニューデリー(続き) ● 昨日の旅(23):インドを旅するということ ● 昨日の旅(24):ペシャワールへ ● 昨日の旅(25):ペシャワールの恐怖の一夜 ● 昨日の旅(26):カイバル峠を越えて ● 昨日の旅(27):カブール ● 昨日の旅(28):バーミヤン・ホテル ● 昨日の旅(29):カンダハール ●...

View Article

昨日の旅(31)

☆ イラン入国 アフガニスタンに2週間ほど滞在したあと、バスに乗ってイランに向かった。 イラン入国後、最初に着いたのはアフガニスタンとの国境に近い町、メシェッド。 町の食堂で食事をして代金を払ったのに、食堂の親父は釣り銭をくれない。 文句を言ったら、釣り銭のコインをポーンと放って寄こした。 純朴なアフガン人と較べてイラン人はすれてるなと思った。 物価もイランはアフガニスタンより高かった。...

View Article

昨日の旅(32)

☆ 進むべきか、引き返すべきか テヘランで、ジョンとジョージという二人組のイギリス人と出会った。 彼らは、イランで車を売るために、イギリスのロンドンから二台のランドローバーを運転して陸路、テヘランまでやってきた。 目的はイランで車を売ることである。 当時、イランでは外国車は100パーセントの関税がかかるために高価だったのだが、陸路イランに車を持ち込むとその関税が免除されたそうで、...

View Article


昨日の旅(33)

☆ エルズルムのハマム体験 わたしたち一行を乗せてテヘランを出発したランドローバーは、一面、白雪に覆われたザグロス山脈を右に見ながら、一路、イラン高原をトルコに向かって走った。 トルコとの国境に近い町、タブリーズを経由して、イラン・トルコ国境に着いたのは早朝で、 トルコの入国管理事務所が閉まっていて、事務所の前で車を停めてしばらく待たなければならなかった。...

View Article

昨日の旅(34)

☆ アナトリア高原の雪合戦 エルズルムを出発したあと、アナトリア高原を横切る幹線道路に入り、一路、アンカラを目指したが、生憎とイスラムの断食月であるラマダンに入っていて、途中の村で食事しようと思って食堂を探したが、どこも閉まっている。 ラマダンの間中、イスラム教徒は日の出から日没まで食事を取れない決まりで、そのため食堂も昼間は営業していないのだ。...

View Article


昨日の旅(35)

☆ イスタンブールへ アナトリア高原から黒海沿岸の町、トラブゾンに抜けて、そのままトラブゾンからサムソンまで黒海沿岸の道路を走ったが、 黒海沿岸は、雪に埋もれていたアナトリア山地とは打って変わって気候が温暖で、風光明媚なところだった。 黒海は、実際は黒い色でなく紺碧で、明るい陽光が降り注ぐ中、ドライブするのは快適だった。 もっともわたしの仲間たちは相変わらず、トルコ人と喧嘩ばかりしていた。...

View Article

昨日の旅(36)

☆ イスタンブール イスタンブールはエキゾチックで魅力的な町だった。 かってこの町は、コンスタンティノープルという名前で東ローマ帝国の首都として栄え、オスマントルコによる征服後はイスタンブールと名前を変えて、オスマントルコ帝国の首都として繁栄した歴史を持つ。...

View Article


昨日の旅(37)

☆ ギリシャへ イスタンブールを出発した一行は、ギリシャを目指したが、一行のメンバーはわたしも含めて全員、ハッシーシを所持していた。 ヨーロッパにこっそり持ち込んで売るためであるが、そんなわたしたちにとって一番の関門は、トルコとギリシャの国境だった。 いったんギリシャに入ってしまうと、ヨーロッパ域内では、税関検査など殆どないに等しい。...

View Article

昨日の旅(38)

☆ クリスとの別れ テッサロニキの売血所に立ち寄ったあと、そのまま国境を越えてユーゴスラビアに入り、スコピエの幹線道路に沿ったモーテルのような簡素な宿に泊まった。 翌日、ユーゴスラビアの首都のベオグラードに向かった。 ユーゴ人のクリスはわたしたちをベオグラードのホテル・モスクワに案内した。...

View Article

昨日の旅(39)

☆ミュンヘン クリスと別れてから、わたしたち一行は現在のクロアチアの首都であるザグレブに一泊したあと、雪に埋もれたオーストリアのザルツブルグを経由してドイツのミュンヘンに到着した。 オーストリアは通過するだけで半日しか滞在しなかったことになる。 ザルツブルグでは、オーストリア人のステファンが車を降りて、一行に別れを告げた。...

View Article
Browsing all 194 articles
Browse latest View live