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Channel: ジャックの談話室
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中国人の常識は世界の非常識 (2)

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昨年暮れのエチオピア旅行では、関空⇔ドバイ間は中国東方航空を利用したのですが、往路は乗り継ぎの関係で上海に一泊することになりました。

上海というか、中国本土に行くのはこれが初めてでした。

中国に関しては大気汚染とかあまり良いイメージをもっていなかったこともあって、これまで積極的に行きたいとは思わなかったのです。

しかし、もし上海に行く機会があれば、一ケ所だけ立ち寄ってみたいところがありました。

上海の虹口地区にある「来来歌舞庁」というダンスホールです。

ここは上海の中高年のホモ社交場で、男同士で社交ダンスを楽しむ場所なのだそうです。

世界にはゲイ向けのディスコやクラブは沢山ありますが、中高年ホモ向けのダンスホールなんて聞いたことがありません。

私は老け専ではありませんが、上海の老人ホモがどのような生活をおくっているのか興味があったので、

上海に一泊するついでにこのダンスホールに行ってみたいと思い、ホテルも上海の虹口地区にあるこのダンスホールに近いホテルを予約したのでした。

上海の浦東空港に到着したのは午後6時20分、イミグレを通って空港に乗り入れている地下鉄の入り口に着いたのは7時20分で、

地下鉄でホテルの最寄りの駅まで行って、そこからタクシーでホテルまで行く予定でした。


空港から直接、ホテルまでタクシーで行かなかったのは、タクシー代を節約するためと渋滞に巻き込まれないようにするためで、

ホテルに着いたらすぐにタクシーを拾ってホテル近くのダンスホールに行くつもりだったのですが、地下鉄に乗ってみてこの計画が甘かったことに気づきました。

ホテルの最寄りの地下鉄の駅は大連駅でしたが、空港から大連駅まで地下テルの路線を2回、乗り継いで1時間半もかかったのです。

さらに大連駅から予約したホテルまでタクシーで行くのも簡単ではありませんでした。

上海のタクシーの運転手は、初乗り運賃で行けるような近場は乗車拒否することがわかったからです。

続けさまに3台のタクシーに乗車拒否されて、4台目のタクシー運転手に初乗り運賃15元の倍の30元を払ってやっとホテルまで行ったのですが、

その時点ですでに9時20分になっていて、9時半に閉まるというダンスホールに行くのは無理だとわかりました。

時間的に余裕があっても、ダンスホールはホテルから初乗り運賃で行ける距離だったので、タクシーの運転手に乗車拒否されていただろうし、

上海もこの辺りになると夜の9時を過ぎると暗くて人通りも少なく、人に尋ねながらダンスホールまで歩いていくのも難しかっただろうと思います。

タクシーでホテルに着いて、中に入っていくとフロントにいた若い女と中年男が「何しに来た?」というような迷惑そうな目で私を睨みつけました。

部屋を予約してある旨を告げると、不愛想に「部屋はない、ほかのホテルへ行け」といいます。

ネットの予約サイトでこのホテルを予約してデポジットも払っているといっても聞かず、「部屋はない。よそに行け」の一点張りです。

しかし、もう夜遅い時間だし、私は上海は初めてで土地勘はないし、ホテルの周辺は薄暗くて人通りも少なく、そんなところで簡単に別のホテルが見つかるとは思えません。

いずれにせよ、私はデポジットまで払っているんだから、彼らは私にホテルの部屋を用意する義務がある筈です。

もしこのホテルに部屋がないのであれば、別のホテルを紹介してくれといったのですが、「そんなことはできない。自分で探せ」といいます。

頭に来た私は、「もしあんた方が部屋を用意できないのなら、しょうがないから今晩はここで寝るヨ」といってロビーのソファに寝ころびました。

お前らが部屋を用意するまではテコでもここを動かないぞ、と意思表示をしたわけですが、それを見たフロントの中年男がフロントから飛び出してきて、怒りの形相で、

「出て行け!」

と怒鳴りながらソファに寝転がっている私の足を蹴ってきました。

ホテルの従業員に暴力を振るわれたのは生まれて初めての経験です。

私は「絶対に出て行かない!」と言い返しました。

そのうち、若い女がどこかに消えていき、だいぶ経ってから戻ってきて、

「あなたの予約したシングルの部屋は現在、改装中で泊まれない。ツインの部屋は空いているが、ツインの部屋に泊まりたいのであれば、あなたはシングル料金の倍の料金を払わなければならない」

といいました。

「冗談じゃない! そっちの都合でシングルの部屋を用意できないのだから、当然、代替の部屋はシングルの料金で提供すべきだ」

と私はいい、また言い合いになったのですが、しばらくやりあったあと、女はまた奥の方に消えて行きました。

多分、奥には彼女の上司か、ホテルのオーナーがいて、意見を聞きにいったのではないかと思います。

そしてだいぶ経ってから戻ってきて、「あなたにシングルの料金で、ツインの部屋を提供する」といいました。

やれやれ、これで一件、落着かと思いきや、そうは問屋が卸しませんでした。

料金を支払う段になって、VISAカードで払おうとしたら、現金でないと受け付けないというのです。

ネットの予約サイトのこのホテルの紹介ページには、クレジットカードでの支払いを受け付けると書いてあったので、私は日本を出るとき、中国の通貨は150元しか両替して来ませんでした。

夜、上海に着いて、翌朝、上海を出るのだから、往復の地下鉄代に最寄り駅からホテルまでのタクシー代、ダンスホールの入場料10元にホテル=ダンスホールの往復のタクシー代、

ぜんぶひっくるめて150元もあれば十分だろうと思ったのです。

そのとき手元には、空港から大連駅までの地下鉄代と大連駅からホテルまでのタクシー代30元を払った残りの100元ちょっとしかなく、これではホテル代には届きません。

ドルで払えないかと訊くと、うちは両替はしていないといいます。

それでまたまた言い合いになって、またまた女は奥の方に消えて行き、しばらく経って戻ってきました。

手にはビザカードの決済端末機をもっています。

なんだ、ちゃんとあるじゃないか!

最終的に、部屋代はビザカードで支払い、それとは別に100元のデポジットを現金で支払うことで決着しましたが(100元のデポジットは翌朝チェックアウトするときに返してくれました)、

部屋に入ったときはもう11時を過ぎていて、この一件で私の上海=中国に対する第一印象は最悪になったのでした。

続く

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