☆アルバミンチからカイ・アファールへ
アルバミンチに1泊したあと、バスでカイ・アファールへ。
この日は木曜日で、カイ・アファールではバンナ族などの少数民族が集まる市場が開かれるのです。
朝まだ暗い6時にホテルを出ると、ホテルの前にオートバイに乗った若い男がいたので、20ブル払ってバス乗り場まで送ってもらいました。
バス乗り場に着いてカイ・アファール行きのバスを探して乗り込むとまだ6時をちょっと過ぎたばかりなのに殆ど満員で、私が最後の客でした。
一番後ろの席に座ったのですが、若い男と太ったおばちゃんに挟まれて身動きできない状態です。
車内はエチオピアン・ポップスが大音量で流れ、エチオピア人乗客の体臭(ワキガ)が充満しています。
私が乗りこむとすぐに出発しましたが、悪路で振動が激しく、縦に横に大きく揺れます。
2時間ちょっと走って、コンソの休憩所に到着。
30分の休憩後、再び出発。コンソからは道の状態がよくなって、バスはかなりのスピードで飛ばしていましたが、
しばらくすると上がり坂になってきて、ぜいぜいと息を切らすような感じで登り始めました。
2時間ほど走って、カイ・アファール村に到着。バスが真ん前に停まったNASAホテルにチェックインしました。
このホテルには200ブルと300ブルの部屋があって、お湯が出るといわれて300ブルの部屋にしたのですが、ぬるいお湯がちょろちょろ出るだけで、そのうちお湯どころか、水そのものが止まってしまいました。
部屋に案内したボーイは、ブルジャンプを見に行かないかと誘います。
ブルジャンプというのはハマル族という少数民族のイニシエーション(通過儀礼)だそうですが、ネットの旅行記などでは殆どの観光客がこのブルジャンプを見ていて、現在では観光客向けの見世物になっているみたいです。
料金もかっては一人あたり300ブルほどでみられたのが、最近読んだ旅行ブログでは一人あたり1000バーツも払っています。
ハマル族のブルジャンプ
https://www.youtube.com/watch?v=tLwscFwz8og
儀式そのものは、上のYoutubeの動画を視ればわかるように、フリチンの若い男が数頭の横に並んだ牛の背中の上を伝いながら地面にジャンプするといういたって簡単なもので、
わざわざ金を払って見るような代物ではないという気がしますが、ボーイは一人あたり90ドル払えば見られるといいます。
90ドル!!
ということは1800ブルか。
ふざけんな!
あとでジンカで会ったガイドに訊いたら、ブルジャンプ見物の現在の相場は一人あたり400ブルから500ブルだといってましたが、
エチオピアの物価を考えると400ブルだって相当なボッタクリ料金に思えます。
教師の初任給が月1200ブルなのです。
☆ カイ・アファールの木曜市
私がブルジャンプに関心を示さないので、ボーイは今度は自分をマーケット見物のガイドに雇えと言い出しました。
「ガイドなんて必要ない」というと、マーケットにやって来るバンナ族などの少数民族の写真を撮りたいなら通訳する人間が必要だといいます。
「別にバンナ族と会話なんかする気はない。写真を撮るだけなんだから。ジェスチャーで通じるだろう」
「いや、バンナ族は未開人だ。彼らはあなたのジェスチャーを理解できない。だからボクが間に立って彼らにあなたの目的を説明する必要がある」
「でもネットを見るとこれまでたくさんの旅行者が一人でマーケットに行って写真を撮ってるけどね」
「じゃあ、一人で行けば良い」
吐き捨てるようにいいます。
写真代は1回5ブルだって聞いていたので、5ブル紙幣を両替できる場所を知ってるかと訊いたら、ガイドを断られて気を悪くしたのか、
「知ってるけど、教えないヨ」といいます。
それで一人でホテルを出て、ホテルの隣の雑貨屋で100ブル紙幣を出して5ブル紙幣に両替を頼むとすぐに両替してくれました。
ホテルの前の道路を挟んで反対側のマーケットが開かれている広場の方に歩いていくと、広場に着く前の建物の壁にもたれて立っている若いバンナ族の男を発見。
写真を撮りたい旨をジェスチャーで示し、5ブル紙幣を渡すとすぐに承諾し、ポーズを取ります。
全然、問題ないじゃないか!
広場に行くとバンナ族がたくさん集まっています。写真を撮っていると、バンナ族ではないふつーの恰好をした若い男がやってきて、
「ここで写真を撮ることは禁じられている」といいます。
政府公認のガイドを雇わないと写真を撮れないというのです。
「それで君が政府公認のガイドなの?」
「そうだ」
「じゃあ、IDカードを見せてよ」
「・・・・・」
邪魔すんな、バカモン!
エチオピアでは行く先々で、こういう観光客をだまして金を絞り取ろうとする若い男に付きまとわれてうっとおしかったですが、
日本人バックパッカーの間では、エチオピアはインド、エジプト、モロッコと共に「世界四大ウザい国」と呼ばれているそうです。