☆ スレイマニエ・モスク
翌日は、エルミーニョに隣接するイェニ・ジャーミー、エジプト市場、ルステムパシャ・モスク、スレイマニエ・モスクを回りました。
また道に迷うのは嫌だったので、タクシーで直接、イェニ・ジャーミーに向かったのですが、
このモスクの周辺はエジプト市場と呼ばれる屋根付きのバザールや野菜、果物、日用品などを売る露店が立ち並び、入り組んだ路地が続くのでやっぱり迷ってしまいました。
イェニ・ジャーミーは当初、メフメット三世の母后、サフィエ・スルタンが建設を開始したものの、メフメット三世の没後、資金が続かなくなり、未完成のまま放置されていたのが大火で焼失。
その後、メフメット四世の母后、トゥルハン・ヴァリデが再建したモスクです。
この二人の女性が建立に関わったモスクの建物は比較的小さく、中では何人かの男が昼寝していました。
隣接するエジプト市場は、このモスクの運営費を賄うために作られたそうで、主としてインドやエジプトから輸入された商品を扱っていることからエジプト市場と呼ばれるようになったそうです。
商品の中では、特に香辛料が多く、スパイスマーケットとも呼ばれているそうですが、香辛料のほかに食品を売る店もあって、庶民的な雰囲気が漂っていました。
エジプト市場を見たあと、近くのリュステム・パシャ・モスクへ。このモスクはスレイマン一世の娘婿で大宰相を務めたリュステム・パシャのために造られたもので、
内装、外装に使われているタイルが素晴らしいとガイドブックに書いてあったので見に行ったのですが、入り口がなかなか見つからず、散々、探しまわって、やっとたどりついたら、なんと「外国人お断り」。
それでこのモスクの見物を諦めて、そこから遠くないスレイマニエ・モスクへ。
スレイマニエ・モスクは、スレイマン一世が建設したモスクで、このスレイマン一世の治世でオスマン帝国は最盛期を迎え、その領土は北はバルカン半島からハンガリーまで、
南はエジプトと紅海沿岸、メディナとメッカを含むアラビア半島沿岸、西はアルジェリアまでの北アフリカの地中海沿岸、東はシリアおよびイラク地方にカスピ海沿岸まで達しました。
そのため彼はスレイマン大帝と呼ばれたのですが、そのスレイマン大帝が建てたスレイマニエ・モスクは質実剛健な外観をもつモスクで、内部もわりとあっさりした感じでした。
過去、三回のイスタンブール訪問では、モスクはブルーモスクとアヤソフィア(現在は博物館になっています)しか見なかったので、今回は、イェニ・ジャーミーやこのスレイマン・モスクを見物したわけですが、
結論をいうと、イスラム建築やモスクに特別な関心を持つ人を除けば、イスタンブールでは、ブルーモスクとアヤソフィア以外のモスクは見る必要はないのではないかという気がします。
その規模と壮麗さにおいてこの二つのモスクは飛びぬけているからです。
☆ フィルザガ・ハマム(Firuzagha Hamam)
この日は、フィルザガ・ハマムに行きました。
このハマムは、新市街の目抜き通りであるイスティカール通りの真ん中のガラタサライ広場からイエニ通りに入り、急な坂道を降りて行ってククルクマ通りと交差するところにあります。
ここもいわゆるゲイハマムで、入場料は前回、行ったヌール・ハマムは30リラだったけど、ここは40リラ。
内部はヌール・ハマムと較べると広く、メインの浴室の両側に補助的な小さな浴室が二つありました。
平日の午後4時頃でしたが、20人くらいの客が入っていて、客層は30代、40代、50代の中年層が主流で、
熊系というか、顔が髭に覆われていて、身体も毛深いタイプが多く、そういうのが趣味な人には堪らないと思うけど、わたしの趣味であるほっそりした美少年は皆無でした。
まあ、ヤルことを期待して行ったのではなく、あくまでもイスタンブールのゲイハマムがどんなところかを知るために見にいっただけなので、それで別にかまわなかったのですが。
メインの浴室の隣にある狭い浴室の壁際のベンチに腰かけていると、向かい側に座っていた熊男がしきりと目で誘ってきます。
目くばせして一緒にここを出ようと合図するので、全然、趣味じゃなかったけれど、どこに行こうとしているのか興味があったので立ち上がって一緒にそこを出たのですが、連れて行かれたのは個室トイレが並ぶ一画。
このハマムでは気の合った客同士で個室トイレに入ってコトをいたすことになっているようでした。
一緒にトイレに入ることを断って、メインの広い浴室に戻って、中央の台に腰かけていたら、このハマムにはめずらしい20代とおぼしきそこそこイケメンの若い男が寄ってきて、
短刀直入にSEXしようと言い出しました。
You fuck me ? or I fuck you ?
と訊いてくるので、
No money ?
と訊き返したら、トルコ語で吐き出すような口調でなにやらいい返しました。
「金なんか欲しいと思ってないよ。馬鹿にすんな!」
といったのか、
「お前みたいなジジイとタダでやるわけないだろ!」
といったのか、よくわかりませんが、多分、後者だと思い、黙っていたら諦めたのか立ち去っていきました。
わたしは過去3回の訪イスタンブールでは、イギリス国王がトルコを訪問したときに訪れたという豪華な観光客向けのハマムや一般庶民が利用するフツーのハマムにはいきましたが、
いわゆるゲイハマムには、行ったことはありませんでした。
そもそもそのようなものが存在すること自体、知らなかったのですが、その後、ネットでホモが集まるハマムの情報に接するようになり、再度、イスタンブールに行く機会があれば、訪れてみたいと思うようになったわけです。
ただネット情報では、イスタンブールのホモが集まるゲイハマムは汚いところが多く、そこで客同士が派手に盛っているとか、三助がマッサージさせろとしつこくまといついてくるとかいわれていましたが、
前回、行ったヌール・ハマムも今回のフィルザガ・ハマムも内部は清潔で、三助がしつこく絡んでくることもなかったです。
フィルザガ・ハマムでは、客の全員がホモだったと思いますが、みんな個室トイレに行ってやっているのか、人前で派手に盛るようなことはなく、ちょっと物足りなかったです。
ただこのハマムに来ている30代、40代、50代の男たちは、全体的にレベルが高く、
ラウンド髭、胸毛、ガチムチ体型、巨根と日本の熊専が見たらよだれを垂らすような男たちばかりでした。
ということで、熊専の方は是非とも、イスタンブールに行って、トルコの熊親父たちと交流されることをお勧めします。
続く