☆ アディスアベバからバハルダールへ
アディスに2泊したあと、飛行機でバハルダールへ。
バハルダールへはバスの便もあるのですが、エチオピアにおけるバス移動の過酷さ(早朝出発、オンボロバス、悪路、等)については散々、聞かされていたので、
エチオピア国内で飛行機が飛んでいる区間は、すべて飛行機で移動することに決めたのです。
具体的にいうと、アディス⇒バハルダール、バハルダール⇒ラリベラ、ラリベラ⇒アディス、アディス⇒アルバミンチ、アルバミンチ⇒アディスの5区間です。
かってエチオピア航空の国内線は、外国人も現地人料金で安く乗れたそうですが、現在はしっかり外国人料金を取られるので、5区間の運賃の合計は9万ちょっとになりました。
関空=アディス間は、中国東方航空とガルフエアーの組み合わせで9万円台に抑えることができたのですが、エチオピアの国内線の料金を加えると結局、航空運賃の総額は20万近くになりました。
エチオピア航空は、国内線に5区間、乗った限りでは、欠航や遅延はなく、ほぼ定刻どおりに運行していました。
1回のフライトに女性CAが二人乗っていて、長身の美人が揃っていましたが、特にアディス⇒バハルダール間のフライトのCAの一人は目を瞠るような絶世の美女でした。
国内線の飛行機は小型のプロペラ機で、私の機内持ち込みサイズのキャリーバッグは、座席の上の荷物入れに入らず、預入れ荷物にしてくれといわれました。
それで国内線5区間のフライトではすべてキャリーバッグを預入れ荷物にしたのですが、ショルダーバッグひとつで動き回る快適さを味わってみて、なんでもっと前からこうしなかったんだろうと思いました。
これまで荷物の機内持ち込みにこだわってきたのは、到着地の空港のバゲージクレームでターンテーブルから荷物が出て来るのを待つのが面倒なことと、万一荷物が紛失したら面倒だという理由からでしたが、
キャリーバッグを預けると、手で持ったらけっこう重いキャリーバッグを座席の上の荷物入れに出し入れする手間が省けるし、
最終目的地までスルーでチェックインすると、乗り継ぎの空港でキャリーバッグを引きずってうろちょろする必要もないのです。
というわけで、エチオピア航空の国内線だけでなく、帰路のフライトでもすべてキャリーバッグは預入れ荷物にしました。
アディスからバハルダールのフライトは約1時間。
バハルダールに近づくと、青ナイルの水源であるタナ湖の茶色の湖面が見えてきます。
バハルダールの空港に到着して、ターミナルビルを出ると、前の広場にホテルの送迎用のバンがずらっと並んでいました。
「バハルダール・ホテル」という表示のあるバンの前に立っていた若い男が「どこのホテルに行くんだい?」と訊いてきたので、ネットで下調べをしてきたメネン・ホテルの名前を告げると、
「途中だからタダで乗せて行ってやるヨ」といいます。
それでそのバンに乗り込んだのですが、車は私だけを乗せてすぐに発車し、客引きの若い男は早速、バハルダールの観光ツアーの説明をはじめます。
どうやらこれが目的だったようです。
バハルダールの観光では、青ナイルの滝を見るツアーとタナ湖のクルーズの2つのツアーが定番になっています。
青ナイルの滝ツアーというのは、タナ湖から流れ出した青ナイルにある滝を見物するツアーですが、私はこのツアーには参加しないことに決めていました。
元々、乾期は水量が少ないことに加えて、数年前にエチオピアが青ナイルにダムを建設したことで水量が激減したと聞いていたのと、
滝を見るためには、バハルダールから滝に一番近い町まで小一時間バスで行って、そこから滝まで45分歩かなければならず、道は悪路で水溜まりが多いと聞いたからです。
それで青ナイルの滝のツアーに参加するつもりはないと言ったら、「それじゃあ、タナ湖のクルーズはどうだ、一人30ドルで手配するよ」といいます。
タナ湖のクルーズというのは、タナ湖に浮かぶ小島に散在するコプト教の修道院をボートでめぐるツアーで、
「30ドルは高い」というと、「いくらなら出す?」と訊くので、「15ドルくらいかな」と答えたら、「それじゃあ、修道院は一つも見られないよ」と吐き捨てるようにいい、
これでは見込みがないと思ったのか、車がバハルダールの町に入るとすぐに「運転手があなたをホテルまで送るから」と言い捨てて降りていきました。
運転手が私を連れて行ったのは、当然というか、メネン・ホテルではなく、バハルダール・ホテルで、ボーイが出てきて「350ブル、450ブル、550ブルの3つのカテゴリの部屋がある」と説明します。
「高いからほかのホテルに行く」と歩き出そうとしたら、「朝食込みで300ブルでどうだ」と値下げして来ました。
それで部屋を見ることにしたのですが、エレベータなしの4階にあるショボい部屋で、「やっぱりメネン・ホテルにする」と断ってホテルを出ました。
キャリーバッグを引きずりながらメネン・ホテルの方に歩いていくと、次から次へと若い男が寄ってきて、「ホテル?」、「ペンション?」と訊いてきます。
バハルダールの若者は全員、副業としてホテルの客引きをやっているのではないかと思ったくらいです。
メネン・ホテルに着いてボーイに部屋があるか尋ねると、トイレ・シャワー付きの150ブルの部屋と350ブルの部屋があるといいます。
150ブルの部屋を見せてもらうと、安いわりにちゃんとした部屋で、さっき見たバハルダール・ホテルのショボい部屋やアディスのウトゥマ・ホテルの部屋よりもマシで、テレビもあります。
それでこのホテルに泊まることに決めたのですが、泊まってみると、バーやレストランも併設されているわりとまともなホテルであることがわかりました。
続く