一年経っても証明書の申請者が少ないことを指摘されて「日本ではカミングアウトする当事者が少ないから」と言い訳していましたが、
そんなことは最初から分かっていたことで、それでも敢えて一般当事者の意向を無視してLGBTごり押しを続けるこの人の真意を知りたいものです。
「結局、不発に終わった渋谷区のパートナーシップ条例」を参照。
日本では数年前から、電通とその仲間である長谷部渋谷区長や一部のゲイリブ団体が音頭をとってLGBTごり押しを推進しているのですが、
その結果、同性パートナーのいるLGBTの社員や職員に対して結婚している社員や職員と同等の恩典や優遇策を提供することを決めた企業や自治体が出始めています。
たとえば、日本IBMでは、LGBTの社員がパートナーと結婚したときの結婚祝い金、パートナーが死亡したときの弔慰金、転勤時のパートナーの赴任旅費の支給やパートナーやその親族の介護のための介護休暇の付与を決めているそうです。
また自治体では、千葉市がLGBTの職員が同性のパートナーと同居している場合、異性カップルに認めているのと同じ休暇制度を利用できるように就業規則を改正し、
結婚休暇に当たる「パートナー休暇」のほか、パートナーやその親族の介護のための休暇を付与することにしたといいます。
しかしこのような企業や自治体のLGBT対応策は、絵に描いた餅で終わると私は予想しています。
これらのLGBT対応策はすべて当事者に同性パートナーがいるとの前提に立っていますが、日本では同性カップルそのものが少ないという現実があります。
レスビアンについてはよく知りませんが、ホモに限っていえば、特定の同性パートナーがいて同居している人間は、ホモ全体の1割にも達していないと思います。
またホモの場合、同棲していても簡単に別れてしまうことが多いです。
2014年に青山の結婚式場で派手な結婚式を挙げたシャイニーゲイのカップルはわずか半年で「離婚」したそうですが、そういう話はめずらしくありません。
というか、派手な結婚式を挙げる目立ちたがり屋の同性カップルほど短期間で別れてしまうケースが多いような気がします。
レスビアンでも、2007年に民主党から参院選に出馬したレスビアンの活動家である尾辻かな子は、選挙キャンペーンの一環として、
虹色ダイバーシティーの代表、村木(旧姓木村)真紀とマスコミを呼んで派手な結婚式を挙げましたが、落選した途端、離婚しています。
もちろん、中には別れずに関係が長続きしている同性カップルもいるでしょうが、結婚祝い金やパートナーが死亡した場合の慰労金など無くても別にかまわない恩典と、
職場でカミングアウトすることのデメリットを天秤にかけた場合、大半の当事者は、そのような恩典の申請を思いとどまると思います。
ゲイあるいはレスビアンであることを職場でカミングアウトした場合、色眼鏡でみられることは避けられないし、
自分が同性愛者であることが直接の上司や同僚だけでなく日頃、付き合いのない人事の連中にまで知れ渡ってしまうわけで、その鬱陶しさを考えるとおいそれとカミングアウトする気にはなれないのです。
またこのような恩典を受けようと思ったら、自分だけでなく、パートナーの個人情報まで会社に提供しなければならず、
現実的に考えて、そうまでしてそのような制度を利用したいと考える当事者は殆どいないでしょう。
いつ別れるかわからないし(笑)
そのため、このようなLGBT対応策の利用者が、パートナーシップ証明書の場合と同様、きわめて少数にとどまるであろうことは今から目に見えています。
数年前から喧伝されているLGBTビジネスがいっこうに振るわないのも、カミングアウトの壁があるからです。
LGBT向けを謳う商品やサービスを購入したり、利用したりする当事者が少ないのは、そのような商品を購入したり、
サービスを利用することが強制的なカミングアウト、アウティングにつながるのではないかという懸念が存在するからです。
GENXYのコラムで、ゲイライターの英司さんが、唯一、成功しているLGBTビジネスとしてゲイ男性向けの下着ビジネスを挙げていますが、
【コラム】縮小・撤退続きのLGBTビジネス。しかし!意外な優等生が出現か!?(http://genxy-net.com/post_theme04/317316l)を参照
これら下着メーカーも自社の商品をゲイ向けあるいはLGBT向けとして宣伝しているわけではありません。
「男性下着」とだけ表示することで、購入者のゲイ男性に「おしゃれなノンケだって買いそうな下着だから」と言い訳する機会を与えているのです。
もしはっきりとゲイ向けを謳ったら、 顧客の幅をゲイの男性だけに狭めるだけでなく、カミングアウトを嫌うゲイの男性は、
その下着を購入することでホモばれしてしまうかもしれないと考えて、購入を躊躇してしまうでしょう。
このような当事者の繊細な心理に配慮しているところが、この下着メーカーが成功している要因のひとつだと思うのですが、
逆に安直にゲイ向けとかLGBT向けを謳うことで、当事者に支持されるどころか、反発を買うケースもあります。
先日、ある大手の住宅情報サイトがLGBTが入居可能な物件の検索サービスを開始すると発表して、「俺たちをペットと同じに扱うのか!」と当事者たちの怒りを買ったのはそのよい例です。
「LGBTは賃貸物件を借りるのが難しい」という自称LGBT活動家が垂れ流す嘘八百を鵜呑みにしたサイト運営会社が、
「LGBT可」の物件を売り出したら売れるのではないかと安易に考えてそのようなサービスを思いついたのでしょうが、
元々、部屋を借りるに際してLGBT差別など存在しないことに加え、LGBTを特別扱いすることが逆に差別につながるということをまったく理解していないその愚かな対応が当事者の反発を買い、
「この会社のサイトは二度と使わない!」という人間まで出てきて、LGBTの顧客を獲得するどころか、失う結果になってしまったのです。
なぜこのような勘違いが生まれるかというと、アメリカとは状況が異なる日本で、アメリカにおけるLGBTビジネスの手法を無理やり当てはめようとするからです。
アメリカでは、同性愛者に対する差別が激しいことからゲイやレスビアンたちは、NYやLA、SFなどの都会にゲイコミュニティあるいはLGBTコミュニティと呼ばれるゲットーを作って固まって住んでいます。
そのようなコミュニティでは、ゲイ向けあるいはLGBT向けを謳うビジネスが成立する可能性がありますが、
日本の場合、LGBTに分類される人間は、一般の地域社会に埋没して生活しています。
なぜ自分たちだけのコミュニティを作らないかというと、アメリカに較べて差別が少ないのでその必要がないからです。
ただし、ノンケと混住するときには余計な摩擦を避けるためにホモやレズであることを主張しない、すなわちカミングアウトしないという暗黙のルールがあります。
日本社会では自己主張の強い人間は嫌われるのですが、カミングアウトという行為は自己主張そのものなので、日本の文化風土には合わないのです。
そのような日本の事情を無視してLGBTごり押しを進めても当事者からそっぽを向かれるだけで、成功する筈はないのですが、
それでもしつこくLGBTごり押しを推進する連中は、なにか別の魂胆があるとしか思えません。
本日のつぶやき
アカデミー賞で作品賞を間違えるハプニング!
今年のアカデミー賞授賞式で、作品賞のプレゼンターとして登場した名作「俺たちに明日はない」の主演カップルのフェイ・ダナウェイとウォーレン・ビーティに間違ってLa La Landの主演女優賞、エマ・ストーンの名前が書いた紙が入った封筒が渡され、
フェイ・ダナウェイが受賞作をLa La Landと発表。後で本当の受賞作はMoonlight と訂正されるというトンデモないハプニングが起こりました。
いつだったかもラスベガスで開催されたミス・ユニバース世界大会で、優勝者を間違えるという信じられないミスがあったけど、やっぱりアメリカはタガが外れてきているのでしょうか。
久しぶりに見たフェイ・ダナウェイとウォーレン・ビーティの老け顔もショックだったけど、間違えたことがわかっておろおろするビーティの様子がいかにも耄碌した爺さんといった感じでみていて辛かった。昔はあんなイケメンだったのに!
つぶやき2
英司 @hj_age
会社はLGBTの仲間を見つける場所ではない。むしろ、会社に利益になる働きをしていたら評価され、当人のセクシュアリティなんて会社からしたらどうでも良いこと。なので、僕は職場で差別を感じたことはない。むしろ、2年だけいた自称フレンドリー企業の方がよほど差別的でめんどくさかった。