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同性カップルが子供を持つということ(2)

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前回の記事:同性カップルが子供を持つということ(1)

同性カップルに育てられる子供たちは、本当に幸せなんでしょうか?

アメリカ在住の日本人女性が書いている「苺畑より」というブログ(http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2015/05/gay_parents_are_not_good_for_c.html)で、

同性カップルに育てられた子供たちの同性婚に反対する声がいくつか紹介されています。


最初に紹介されているのは、ケイティ・ファウストという女性がアンソニー・ケネディ最高裁判事に出した公開状です。
http://www.thepublicdiscourse.com/2015/02/14370

この公開状が発表されたのは2015年2月のことで、この時期、アメリカの連邦最高裁判所では、同性婚を合法化すべきかどうかの審議が行われていました。

最高裁判事は全部で9人、4人が同性婚反対の保守派、4人が賛成のリベラル派、最後の1人が同性婚合法化の鍵を握るといわれていた中道派のケネディ判事でした。

ケイティ・ファウストは、レスビアン・カップルに育てられた自分の辛い体験を語り、同性婚に賛成しないでほしいという嘆願の手紙をケネディ判事宛てに出したのです。

結局、このケネディ判事が賛成にまわったために同性婚は合法化されたのですが。

ケイティの母親はレスビアンだったそうですが、昔はレスビアンの存在が社会的に認知されていなかったこともあって男性と結婚、ケイティを産みます。

しかし、両親はケイティがまだ幼い頃に離婚、母親は彼女を連れてレスビアンの女性と暮らすようになります。

ケイティはレスビアン女性の集りなどで、レスビアン・カップルに育てられている自分がいかに幸せかというスピーチを何度もおこなったといいます。

「母親が離婚したお陰で、私はあなた方のような素晴らしい女性たちと巡り合えたのです」

ケイティがいうと、聴衆の女性たちは拍手喝采したそうです。

しかし、本当は私にとって両親が離婚したことは人生で一番、辛い体験だった。

私は常に父親を恋しく思っていて、できれば母親のレスビアンのパートナーやレスビアンの友人全員と父親を取り替えたいと思っていたくらいだ。

それではなぜ彼女はレスビアンのカップルに育てられて幸せだなどと心にもないことをいったのでしょうか。

母親や母親のパートナーや友人たちがそのような言葉を期待していることを知っていたからだ。

私は彼女たちを愛していたので、彼女たちを傷つけるようなことは言いたくなかったのだ。

同性カップルに育てられている子供の多くは、自分たちを育ててくれている親の気持ちを慮ってこのような嘘をつくとケイティはいいます。

ゲイやレスビアンの親を愛している子供が、同性婚に賛成しているとは限らない。同性愛者の親を愛する一方で、同性婚に賛成しない子供は沢山いるし、私もそのひとりだ。

なぜ同性婚に反対するかというと、子供には父親と母親の両方が必要だと思うからだ。

大人の都合で、父親と母親の両方に愛されるという子供たちが持つ基本的な権利をはく奪すべきではない。

異性のカップルに育てられた子供よりも同性カップルに育てられた子供の方が幸せになるという研究結果については、

その研究者がゲイの友人の気持ちを傷つけたくなくて、そんなことをいっているとしか思えないといいます。

親に捨てられた子供、親が離婚した子供、親が死亡した子供、人工授精によって生物学的な親と切り離された子供、これらの子供が大きく傷つくことは疑いのない事実なのに、

このような痛ましい体験のひとつを経て同性カップルに育てられる子供が「二人のパパ」や「二人のママ」を持つだけで幸せになれるというのは到底、信じられない。

二番目に紹介されているのは、The Federalistというウェブサイトに寄稿された

「親愛なるゲイ・コミュニティへ、あなた方の子供は傷ついている」

というタイトルのへザー・バークウィットという女性の文章です。

http://thefederalist.com/2015/03/17/dear-gay-community-your-kids-are-hurting

彼女もレスビアン・カップルによって育てられたのですが、彼女のレスビアンの母親も上記のケイティ・ファウストの母親と同様の理由で、彼女の父親と結婚し、その後、離婚してレスビアンのパートナーと暮らし始めたといいます。

彼女は上の写真の「Heather Has Two Mommies(ヘザーには二人のママがいる)」というゲイの親に育てられる子供のために書かれた児童書のモデルになった女性で、

ケイティ・ファウストと同様、ゲイの親に育てられた子供が本心を打ち明けることのムツカシさについて語っています。

両親が離婚した子供は、両親が自分のせいで別れたのではないかと悩んでいることを打ち明けることができるし、養子に貰われた子供は、生みの親と切り離された苦しみについて語ることができるけれど、

同性愛者の親に育てられた子供は、そのことで悩んだり、苦しんでいることを口にできない。

ゲイコミュニティに暮らす人はそのようなことを聞きたがらないし、もしいったとしても無視されるか、差別主義者のレッテルを貼られるかのどちらかだ。

ヘザーは自分が育ったゲイコミュニティ自体は嫌っていないし、ゲイコミュニティから多くのことを学んだのは事実だが、父親の不在は自分の心の中に大きな空洞を生み、

その空洞は母親のレスビアンのパートナーによっては埋められることはなかったといいます。

レスビアンのもう一人の母親は父親の代わりは務まらないし、私自身、成人して男性と結婚して子供をもってみてあらためて子供には父親と母親の両方が必要だということに気がついた。

三番目に紹介されているのは同じくThe Federalistに寄稿されたブランディ・ウォルトンという女性の

「子供たちは幸せではない。レスビアンの娘は語る」

というタイトルの文章です。

http://thefederalist.com/2015/04/21/the-kids-are-not-alright-a-lesbians-daughter-speaks-out

彼女の母親も上記の二人の母親と同じ道を辿ってレスビアンのパートナーと暮らし始めたそうですが、彼女はほかの二人の場合とは異なり、ゲイコミュニティではなく、オクラホマの田舎町で育っています。

故郷の町で私はいつも孤独だった。ほかにきょうだいはなく、自分と同じような境遇の子供は周囲にいなかったからだ。

母親がレスビアンであることがバレるのではないかとビクビクしながら暮らし、父親と母親が揃っている友達の家に遊びにいって、その友達が父親に愛されている様子をみて羨ましく思った。

彼女は周囲にまったく男性のいない環境で育ったせいか、大人になってから男性とうまく付き合えず、

最初に出会った二人の男性との関係は不幸な結末に終わり、二度と男とは付き合わないと決心したそうですが、

偶々、出会った三人目の男性と意気投合して結婚し、現在では4人の子供に恵まれて幸せに暮らしているそうです。

彼女はゲイコミュニティで育っていないせいか、前の二人と較べてゲイコミュニティに対する思い入れはなく、次のように厳しく批判しています。

ゲイコミュニティは他者に対しては寛容を強く求めながら、みずからは不寛容で、異なる意見をもつ者を激しく攻撃する。

この三人は全員、レスビアン・カップルに育てられた女性で、成人してから男性と結婚して子供を作っているところが共通しているのですが、

三人が口を揃えていうのは、父親と母親の両方が揃っている家庭がいかに素晴らしいかということです。

結婚して子供を持ってはじめて父親の役割りがいかに重要であるか、また母親としての私の存在がいかにかけがえのないものであるかよくわかりました。(ケイティ・ファウスト)

父親を愛し、父親から愛されている子供たちを見るたびに、伝統的な結婚と子育てが持つ美しさと叡智を感じることができます。(へザー・バークウィット)

初めて子供とその男親を持ったことは私にとって美しい、畏敬の念に打たれる経験でした。子供には父親と母親の両方が必要であるという信念がますます強まりました。(ブランディ・ウォルトン)

彼女たちはレスビアン・カップルの家庭と父親と母親が揃っている家庭の両方を経験しているわけで、その体験から出た言葉は重いと思いますね。

続く

私的男色論

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