先日、BSスカパーのバラエティ番組で、ゲイ専門ライターと称する連中が出てきて、ホモであるかないかは肛門をみればわかるといって、実験台にされた若い男数名の肛門検査を行い、その様子が放映されたそうです。
よくまあ、こんな下劣な企画を思いついたものだと感心しますが、この番組に出演して肛門検査を行った3人のゲイ専門ライターはホモ雑誌の編集長と元編集長だそうです。
このネット全盛時代にまだホモ雑誌が発行されているというのも驚きですが、どうせ発行部数は激減しているに違いなく、そんな仕事にかかわってもロクな収入が得られないだろうことは想像がつきます。
だからといって自分もホモでありながら、はした金を受け取ってテレビに出てホモを馬鹿にする企画にみずから進んで協力する神経は理解できません。
こういう連中のことを下衆の極みというのでしょう。
『薔薇族』の伊藤文学さん、『ゲイ』の東郷健さん、『アドン』の南定四朗さんなど昔のホモ雑誌の編集長たちもそれぞれ毀誉褒貶に富む人物で、私も彼らのやり方を全面的に支持する気にはなれなかったのですが、
少なくとも、彼らはホモ雑誌を発行しておきながら、その読者であるホモを馬鹿にするようなことはしなかった。
人としての最低限の常識と矜持は持ち合わせていたのです。
さらにこのゲイ専門ライターの一人は番組で、若いホモに人気のある某ブランドのリュックを写真付きで紹介し、「これを背負ってる奴はみんなホモだ」と紹介したといいます。
知り合いの若い人によると、確かにそのブランドのリュックは、若いホモの間で流行していて、仲間内で「オカマランドセル」などと呼び合ってふざけあうこともあったといいますが、
そんなホモの世界の内輪ごとをテレビでぶち撒けられたことでみんな怒っているそうです。
ある実家暮らしの大学生のホモの子は、母親がその番組を見ていたらしく、母親から「アンタがいつも持ってるあのリュック、ホモの人が背負うやつらしいからもうあれ背負って外出るのやめて!」と言われたといいます。
そのほかにもこの下衆の極み連中は芸能界のだれそれはホモだとかイニシャルを挙げてぺらぺらしゃべったそうですが、そういう話はゲイバーの中ならともかく、公共の電波を使うテレビ番組でやるものではないでしょう。
この同性愛者を馬鹿にした愚劣な番組を放送したテレビ局に対してLGBT活動家を自称する連中が抗議したという話を聞かないのも不思議です。
たとえば、LGBT関連のイベントには必ずしゃしゃり出てくる石川大我という自称LGBT活動家がいます。
彼はどこかの大学の学園祭で学生たちがゲイバーを出店するという噂を聞きつけて、わざわざその大学まで出かけていって「ゲイバーを出すのは同性愛者に対するサベツニダ!」と抗議してやめさせたそうですが、
そんなどうでもいい学園祭のイベントには抗議しておきながら、それよりもはるかに重大な同性愛者差別を行ったこの番組については何もいっていないのです。
なぜ彼は抗議しないのか?
多分、番組に出演したゲイ専門ライターを名乗るホモ雑誌の編集長たちがLGBT活動家にとって身内的存在であること、
あと自分もゲイの専門家としてテレビに出て有名になりたいなどとさもしいことを考えているからではないでしょうか。
いずれにせよ、今回の出来事で自称LGBT活動家が同性愛者のためではなく、あくまでも私利私欲のためにだけ働く人間であることがあらためて浮き彫りになったような気がします。
このようにテレビ番組に出演してホモの実態をぺらぺらしゃべりまくるのは、一種のアウティングといえますが、元々、アウティングという行為を流行らせたのはアメリカのゲイリブ活動家たちです。
彼らはゲイはクローゼットに隠れていないで、堂々と表に出てきて主張すべきであるというカミングアウト至上主義に基づいて、有名人の隠れゲイを名指しして、「あいつはゲイだ!」と吹聴してまわったのです。
日本のゲイリブ活動家も「有名人のだれそれはゲイだ」などという話が好きでよくブログなどで実名を挙げて書いていますが、
ゲイリブ団体から離脱する人間に対する嫌がらせとして、家族や勤め先にホモであることを暴露する電話をかけたり、メールを送ったりするのも彼らの常套手段で、
まさにホモの敵はホモというか、ゲイリブこそがホモの敵なのです。
前述した「ゲイ専門ライター」のようにホモバレしても失うものがなにもない社会の底辺で生きている連中は別にして、
フツーに働いて暮らしているホモの中には、ホモバレすると困る人間も当然いるわけで、そのようなホモは昨今のマスコミなどのLGBTゴリ押しによってホモが注目されることにウンザリしていて、
自分の身を守るためにカミングアウトしないのはもちろんのこと、アウティングされないようにLGBTフレンドリーを謳う店にも近づかないようにしているといいます。
その結果、ゲイリブがカミングアウトを叫べば叫ぶほど、逆に隠れホモが増えるという皮肉な現象が起こっているのです。
それにしても、ゲイリブたちが「日本ではLGBTが可視化されていない」と騒いだあげくに、
テレビ番組でホモの尻の穴まで可視化されるようになってしまったのはタチの悪い冗談としか思えず、とても笑う気にはなりません。