12月も後半に入って今年もあと僅かですが、2016年は後から振り返ったら歴史の転換点となった年として記憶されるかもしれません。
6月にはイギリスが国民投票の結果、EUからの離脱を決定し、11月のアメリカ大統領選挙では「アメリカ第一」を唱えるドナルド・トランプが当選しました。
イギリス国民がEU離脱を選択し、アメリカ国民がトランプを大統領に選んだ背景には、モノや金、そして人間の自由な移動を可能にするグローバル化にたいする反発があったといわれています。
イギリスやアメリカの政治家やマスメディアは、イギリスのEU離脱もアメリカのトランプ大統領の当選も予測できなかったのですが、
彼らは自国の労働者の間で製造業の海外移転や低賃金で働く移民の流入によって職が奪われ、賃金も低いままに抑えられているという不満が蓄積していることを見抜けなかったのです。
またイギリスの場合は、イギリス国民の意思を無視してEUの本部があるブリュッセルで重要な問題が決定されることにたいする不満、
アメリカの場合は、州レベルで決定されるべき問題が連邦政府によって決定され、その決定が州に押し付けられることにたいする反発があったといわれています。
たとえば、アメリカでは昨年6月に連邦最高裁判所が同性婚を憲法上の権利として認める判断を示した結果、それまで同性婚を認めていなかった13の州でも同性婚が合法化されることになったのですが、
共和党支持者の多いいわゆる赤い州では、この連邦裁判所の決定に対する不満が大きく、
それに対抗するために宗教上の信念に基づいて同性愛者に物を売ったり、サービスを提供することを拒否できる「信教の自由回復法」を制定する動きが出てきているといいます。
ゲイリブは二言目にはダイバーシティ(多様性)という言葉を口にしますが、もし本当に多様性を尊重するのであれば、同性婚を認める自由だけでなく、認めない自由も尊重すべきです。
地方の多様性の尊重という観点からいって、また州の自治権を重視する連邦国家として、同性婚を認めるかどうかは連邦ではなく州レベルで決定されるべきだし、
同性婚を認めない州に住む同性愛者が同性婚を望む場合は、同性婚を認める民主党支持者の多い青い州に移住すればよいのです。
実際、中西部など同性愛者差別の激しい州に住む同性愛者の多くはNYやLA、SFなどの青い州の大都市に移住してゲットーを作って生活しています。
現在、経済のグローバル化が格差や貧困を生むという批判がなされていますが、経済のグローバル化は必然的に文化のグローバル化を伴います。
そして文化のグローバル化は経済のグローバル化と同じかそれ以上に深刻な問題であると私は考えています。
たとえば、世界中の人々がアメリカ人と同じようにマクドナルドのハンバーガーとコカコーラで食事し、ジーンズを穿くようになったら、世界は随分と味気ないものになってしまいます。
実際、この文化のグローバル化はかなり進んでいて、先日、南インドのコヴァラムビーチに行った人から、
現在、コヴァラムビーチの若者はかってのようなルンギと呼ばれる南インドの伝統的な腰巻を着けずにジーンズを穿いていると教えられてショックを受けました。
南インドの若者がルンギの裾をはしょってカモシカのようなしなやかな脚を見せながら歩くセクシーな姿はもう見られないというのです。
文化のグローバル化の味気無さは、世界中で行われているゲイパレードの画一性をみればよくわかります。
どの国のゲイパレードも判で押したようにドラァグクイーンとレザーパンツの半裸のマッチョがフロートに乗って音楽に合わせて腰を振るだけで、そこにはローカル色のかけらもみられません。
日本のホモの観点から見れば、欧米のサル真似でしかないゲイパレードよりも日本各地の裸祭りのほうがよほど面白くて刺激的なのですが、
このような地域の文化を完全に無視した驚くほど画一的なゲイパレードの押し付けは、ゲイリブ運動が文化の多様性を尊重する運動ではなく、
世界の文化の均質化を推し進めるグローバリズムの一環であることをよく示しています。
以前、ゲイリブ活動家がよく口にしていた「G8の中で同性婚を認めていないのは日本とロシアだけだ」というような言葉も、グローバリストの手先として働くLGBT活動家が文化のグローバル化を押し進めるための典型的な言説で、
そこには同性婚を認めている国は文化の進んだ先進国で、認めていない国は文化の遅れた後進国であるという意味が言外に込められています。
私は日本とロシアが同性婚を認めていないのは単にほかの先進国と較べて異なる文化を持つからであって、異なる文化の優劣を論じることに意味はないと考えるのですが、
西欧中心主義に凝り固まったグローバリストは、西欧的な価値観こそが人類に普遍的な価値観であって、地球上のすべての人類はそのような価値観を受け入れるべきであると考えるのです。
そこにはかってのように非西欧地域を植民地として支配できなくなった西欧諸国が非西欧文化に対する西欧文化の優越を主張することで非西欧地域を文化的に支配したいという文化帝国主義の野望が透けてみえます。
彼らはこのような西欧文化の押し付けを多様性の名の下に行っているわけで、自己矛盾もいいところです。
このようなグローバリズムの推進役であったイギリスとアメリカで、グローバリズムに反対するナショナリズムが台頭してきたのは皮肉といわざるを得ません。
グローバリズムは世界各地の固有の文化を破壊し、多様性を均質性に変えてきたのですが、イギリスやアメリカ国民もその被害をこうむっていたわけで、
イギリスの国民はEUへの同一化を押しし進める政治家に、アメリカの赤い州の国民は青い州のリベラリズムを押し付ける政治家に「ノー」を突き付けたのです。
現在、世界の潮流はグローバリズムからナショナリズムに大きく変化していて、この流れを押しとどめることは誰もできないでしょう。
アメリカの大統領が民主党のオバマから共和党のトランプに代わることで、着任以来、アメリカ大使公邸で日本のLGBT活動家を集めてパーティーを開いたり、
ゲイパレードでスピーチしたりと日本のLGBTゴリ押しを陰に陽に支援してきた駐日アメリカ大使のキャロライン・ケネディも辞任することになるでしょうし、
アメリカ民主党という後ろ盾を失った日本のLGBT運動も急速に衰えていくことが予想されます。
これは日本の文化や伝統を守るという観点からは誠に喜ばしいことで、キャロラインが帰国するときは盛大に塩を撒いて見送ってやりたいですね(笑)
本日のつぶやき
一日経ってもまだ悔しさが残ってる。CWC鹿島の惜敗。あのザンビアのクソ審判がイエローカード出してたら、もしかして勝ってたかもしれないと思うと。。。